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2023.09.12 子宮頚がんの予防・HPVワクチン

まず、”がん”とはなんでしょうか。

がんは正常な細胞の遺伝子が傷つき無秩序に増え、本来自分のいる場所を超えて増え続ける病気です。増え続け、正常な臓器の機能を侵し、徐々に体調が悪くなっていきます。遺伝子が傷つく原因はさまざまなのですが、子宮頚がんの場合はHPV(ヒトパピローマウイルス)というウィルスの感染が大きくかかわっていることがわかっています。

HPVは性交渉により感染を起こします。性交渉の経験がある85%くらいの方にHPVの感染が見られます。

では性交渉したことがある人は全員子宮頚がんになるのでしょうか?ヒトは防御する力を持っています。異物を排除する力を持っています。これらを駆使してほとんどの方はHPVを排除することが出来ます。しかしながら何等かの原因により一部の方で排除できず持続感染という状況が起こります。

持続感染がおこると時間をかけてHPVが細胞の遺伝子に傷をつけがんが発症します。この変化は短期間で起こらず長い年月をかけて変化を起こしてきます。数年で起こる場合もあれば数十年かかる場合もあります。なのでどんなに年を重ねても子宮がある限り、性交渉の経験がある方は子宮頚がんになるリスクがあると言えます。

子宮頚がんを予防するためには感染がおこる前の防御が重要です。感染をさせないようにするためには免疫力が必要です。人は免疫力により外敵を排除しようとします。その免疫力を付けるのがワクチンになります。

今年度から子宮頚がんワクチンは原因となるHPVの90%以上に対しての予防効果を有する9価のワクチンが公費で接種可能になりました。

一時日本ではワクチンの積極的接種が見送られたこともあり接種の機会を逃した世代へのキャッチアップ接種もおこなわれています。これらは時限的な措置のためずっと可能ではありません。徐々に打てる世代が狭くなります。

自費で接種しようと思うと非常に高価なワクチンです。公費・キャッチアップ対象世代の方は子宮頚がんワクチンの接種をご検討ください。どんな治療やワクチンでも100%とは言えませんがほとんどの方が接種後の副反応は何もなかったと言います。コロナのワクチン接種後の体調不良のような症状はありません。接種部位の痛みがある場合がありますが、こちらもほとんどの方は何もなかったですとおっしゃる方が多いです。以前は患者さんにワクチンは安全ですか?と聞かれることが多くありました。最近はあまり聞かれることも減ってきた印象です。ワクチンの安全性に関してすこしずつ認知されてきたと思っています。

下記のサイトで子宮頚がんやワクチンについて詳しく記載がありますので参考にしてください。

https://www.shikyukeigan-yobo.jp/?utm_source=SIL&utm_medium=printed&utm_campaign=SIL%2020PA1028

当院では武蔵野市・三鷹市・小金井市・杉並区・練馬区の公費接種に対応しています。接種希望の方は初回はお電話でご予約をお願い致します。2回目・3回目の接種のご予約は初回及び2回目接種時に院内でご予約をお取りいたします。

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